2023.02.15

仏壇の最適な置き場所はどこ?

昔ながらのご自宅には仏間があり、予め仏壇を置く場所を確保して家が設計されていましたが、最近はマンションに住む方や、仏間自体を設ける家が減ってきて、仏壇購入時にどこに置くのが良いのか頭を悩ませる方も少なくありません。 今回は大切なご先祖様をお祀りするお仏壇と快適に過ごせるように仏壇の置き場所について解説していきます。

仏壇を置く向きの考え方

仏壇を置く向きには昔から様々な諸説があります。こちらでは代表的な考え方を順に解説していきます。

南面北座説(なんめんほくざせつ)

仏壇の背を北にして南向きに置きます。これは中国の慣習に由来しています。古来より中国では高貴な方は南向きに座る慣習がありました。またお釈迦様も南向きに座って説法をしていたことから南向きが良いという説があります。 仏壇の保存状態から言っても、直射日光が当たらず、南からの風により、湿気防止にもなるので良い条件になります。

本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ)

仏壇を拝んだ時にその先に宗派の総本山がくるように仏壇を置きます。毎日仏壇に向かいながらも総本山に手を合わせる形になります。実際は住む場所によって仏壇が様々な向きになります。

西方浄土説(さいほうじょうどせつ)

西の方角に極楽浄土があるとする、仏教の教えに基づいていて仏壇を東へ向けて置き、お参りする時は西を向いてお参りをするという考え方です。またインドの「東面西座説(とうめんせいざせつ)」では、陽が昇る東は立身出世の象徴とされているため、主人は東向きに座るのが良いとされる説があります。

仏壇を置く際の注意

仏壇を安置する場所を決める際に、注意したいポイントがいくつかあります。これらの注意点を踏まえて毎日のお参りが心地よい時間になるようにしましょう。

直射日光や冷暖房に注意

仏壇は木材でできているため、直射日光が直接あたると色焼けしてしまいます。よって北側の部屋に置くのがベストです。またエアコンの風が直接あたる場所や加湿器の近くも湿気で木材が伸縮しやすく木材が沿ってしまったり、カビが発生しやすくなるため、避けた方がいいでしょう。

神棚との位置に注意

仏壇と神棚は向かい合わせにならなければ同じ部屋にあっても大丈夫です。どちらかにお参りする際に片方に背を向けてお参りすることになることを避けるためです。また葬儀の際には、神棚に神棚封じをします。これは神道では死を穢れ(けがれ)とし、忌み嫌うという考えに基づいて行われます。仏壇はご本尊、先祖様をお祀りしているものになりますので、このような理由からも向かい合わせにすることはできません。 また神棚の下に仏壇を置くことも避けましょう。神様が仏様を踏み台にしている形になり、双方に上下関係を作ることに繋がり失礼にあたります。

ご本尊との目線の高さに注意

仏壇はご本尊が中心に祀られています。座ってお参りをする際は自分の目線の高さより少し上のなるようにします。また立ってお参りする時は、ご本尊が胸よりも少し上くらいの位置になるように安置します。仏壇を見下ろすことがないように気を付けましょう。 ご本尊との目線を調節できるように、上置き仏壇であればキャビネットと高さを合わせたり、座ってお参りできる椅子がセットされている仏壇など、種類も幅広くございますので是非お気軽にご相談ください。

仏壇を置く場所

仏壇の置き場所にこうでなければいけないといった決まりはありませんが、仏間が無い場合は、仏壇が良い状態に保たれた条件の場所で心静かに落ち着ける場所を選ばれると良いでしょう。

最近では皆さんが毎日顔を合わせるリビングに仏壇を置かれるご家族が増えました。リビングに合わせてモダンなデザインの仏壇も多く出ています。
ご先祖様もご家族の存在が感じられ、寂しくないように、またご家族もご先祖様に感謝して穏やかに日々暮らせるように、仏壇は家族がいつでも手を合わせられる場所を選んでおかれるのが一番いいでしょう。